不調から好調をいかに引き寄せるか?(2014年6月26日更新!)

TXPを運営している株式会社ピークパフォーマンスニュートリションの代表阿久津貴史のメルマガをご紹介致します。

 

先日の全日本パワーリフティング選手権大会へ向けてのピーキング中にメンタルトレーナーの布施先生から「不調の時に不調なりにいかにコンディションを上げていくか?」という脳のコンディショニングを習ったので今日はご紹介したいと思います。


アスリートにとって試合の日は心身ともにピークに合わせたいものですが、そこまで持ってこれないことも多々あります。また日々の練習でもいい時、悪い時は必ずあるものです。

実力の50%くらいしか出せない日もあれば100%近く出せる日もあります。
そんな50%しか実力を出せない時にどうやって元の実力に近づけていくか?このテクニックを知っているのと知らないのでは競技人生に大きな差がでます。


脳はできないと思っていることにはパフォーマンスを発揮しませんまた逆に簡単にできると思ってしまってもパフォーマンスが低下します。
一番パフォーマンスを発揮するのは今絶対にできると分かっているより少しだけ上の目標を設定することなのです。


つまり実力が50%くらいしか出せない日に100%を出そうと思っても脳は無理と分かっているのでパフォーマンスがあがらない。逆に50%しか実力が出せないから45%くらいでやろうとしても45%の実力しか出さないのです。


また脳の機能は非常に面白くできていて、何かの大会で優勝した!という「できた」現象と、今日は少し早起きして溜っていた書類の整理をした、という「できた」現象も1つの「できた」という同じレベルの現象にしか捉えないのではないかと考えられているそうです。


つまりできたか、できないか?という信号で脳は判断しているだけであって、すごくできたか、ちょっとできたか?という「できた」という現象に段階はないようです。
そして「できた」現象を体感するとパフォーマンスがさらに上がってくるのです。つまり大きな「できた」よりも小さい「できた」をいかに多く体感するかが勝ち組脳を作るポイントなのです。


後はこの「できた」現象を作るために今の実力よりちょっと上のタスクをいかに設定するかというさじ加減をモノにするだけです。これには日々の練習が必要です。


例えばトレーニングの時に・・・
今日はベンチプレスで140kgで5回をやるぞ!と決めていた日なのに120kgをもった時点で調子が悪い。重い・・・これでは140kgで2回くらいしかできないのでは?ここでこのまま140kgを持つと結局2~3回しかできず終わってしまうかもしれません。すると脳にはできなかったというネガティブな記憶が刻まれるわけです。

この場合に脳をいい方向にコンディショニングしていくには120kgを持った後、「今日は140kgはきついので、130kgで5回を良い動きを心がけてしてみよう」とプラン変更をします。すると余裕があるので非常にいい動きで動けます。感じがいいので次のセットは132.5kgでさらにいい動きを心がけよう・・・この繰り返しで結局140kg近くまでうまくトレーニングできる

これが不調時に好調を引き寄せるトレーニングの仕方です。
「うまくできたぞ!」「うまくできたぞ!」をどんどん積み重ねていくのです。もちろん調子がよくないのに甘えて下げてはダメですよ。(笑)


一番いいのは朝起きた瞬間からこの小さい「できた」を生活の中で積み重ねて練習時に脳を一番いい状態まで持ってきておくことです。こうすると日々の練習で余り調子の悪い日がなくなってきます。


私は今大会の調整に入る時期にケガをしていたためその時点では実力にはほど遠いレベルにいました。しかしこの小さい「できた」を日々積み重ねることで最終的に試合で日本新まで自分の実力を引き寄せることができました。

今回あえて引き寄せるという言葉を使いましたが、先生曰くイメージも非常に大切で、実力を出す、というイメージより実力を引き寄せる、というイメージのほうがうまくいくそうです。今が50%の実力なら少し手前にある55%の実力を自分のほうに引き寄せる、次は60%の実力を引き寄せる、この作業の繰り返しで最終的に100%の実力を引き寄せられるようになっていきます。

ちなみに私の日々の「できた」のスタートは予定時刻に起きれたかということから始まります(笑)

ご参考にして頂ければ幸いです。


阿久津 貴史